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本当に望むことは…? 「100万回生きたねこ」
…突然ですが。
体って、どうしてひとつしかないんでしょうね?

今日だって

会社で仕事してる私
インタビューして、原稿書きたい私
こどもたちとゆっくり、その日あったことをおしゃべりしたい私
ボローニャの国際絵本原画展に行きたい私
ピアノをずっと弾いていたい私
家のあれこれを片付けてゆっくりソファでくつろぎたい私

…と、たった一日でさえ、体がいくつあっても足りないのです。

「よくばり過ぎだよ。何か諦めて絞り込まなきゃ!」
と言われることもあるし、自分でもそう思ったりするんですけど、やっぱりどれも大事。
困ったものです。

さて、泣く子も黙る、名作「100万回生きたねこ」。
ミュージカルになったり、映画になったり(しかも音楽はコーネリアス担当という!)絶大な人気を誇る作品です。

100万年も生きて、王様のねこだったり、泥棒のねこだったり、サーカスのねこだったり。
生まれ変わるたびに、別の人生(じゃなくて猫生)を生きられるなんて、ちょっぴり羨ましい。

ところが、そんな激動の輪廻を繰り返した彼が初めて自分を好きになったのは、ただののらねこに生まれ変わったとき。
初めて自分以外の誰かを自分よりもすきになったのも、このときでした。
そしてはじめて泣いたのも。

おそらく、人それぞれ、受け止め方は千差万別。
自分の境遇に照らし合わせ、感じることも見えるものも違ってくるんだと思います。
こどももおとなも大好きなベストセラー絵本は、決して答えを用意していません。
自分なりの答えを見つけるための、ヒントにはなるかもしれないけれど…。

あれもこれもの欲張りな今の私には、まだ答えは見えてきません。
だけどなぜか、いつも側にある絵本なのです。
posted by: hee-san | 大人にも読んでほしい絵本 | 23:47 | comments(1) | - | - | - |
♪ 20年以上前にピアノをやめたワケ、そして今 〜 カプースチン「8つの演奏会用エチュード」♪
先日、東京・赤坂の山王病院にて、ロビーコンサートに出演させていただきました。

ボーカルの横洲かおるさんとは、いつもお子様向けのコンサートでご一緒していますが、今回は、昨年映画化で話題になった「レ・ミゼラブル」などのミュージカルソングを中心とした、大人向けのプログラム。
しかも、海外でも活躍されていたオーボエ奏者の黒瀬大輔さんとの初共演、さらにピアノソロも!
ということで、気軽にお引き受けしたものの練習時間もなかなか確保できず、直前の数週間はプレッシャーで押し潰されそうでした。

「とにかく、やれるだけのことを&ベストを尽くそう!」
と自分自身に言い聞かせての本番当日。
三人での初顔合わせはなんと本番数時間前でしたが、まるで旧知の友人に会ったかのように、息がぴったり&リラックスモード。
「あ・うん」の呼吸でリハも進み、和やかに準備万端、本番を迎えました。

満席となった会場の舞台に上がったときは倒れるかと思ったのも束の間。
ピアノに触れ、横洲さんの歌声が響いてきた瞬間から音楽が流れるようにほとばしり、不思議なオーラがロビー全体を包み込みました。
黒瀬さんのオーボエソロもまるで教会で聴いているような美しさ。
思わず天を仰ぎ、その音色に酔いしれました。

さて、私のピアノソロですが、今回は病院でのコンサートというご縁もあり、演奏の前の自己紹介として、私がピアノを再開したきっかけとなった、5年前に発症した病気についてお話しました。
未だに感覚神経が一般の方の1/3程度しかない私は、ダッシュの駆けっこや縄跳びはできませんが、カプースチンの曲を弾いていると、それらが演奏の中でできるような感覚にさせてくれるのです、といった内容でした。
華やかでエネルギッシュなカプースチンのエチュードは、一見、病院には不似合いなようですが、私にとっては、さまざまな思いを抱えたうえでの選曲だったのです。

すると終演後、あるお客様から
「私も今、脳脊髄液減少症という病気と闘っているのです。闘病生活は辛いけれど、音楽に助けてもらうことも多く、今日は共感し、元気が出ました」
というお言葉をいただきました。
こんなに嬉しいことがあるでしょうか。
演奏して、お話をして本当によかった!という喜びと、今後もピアノを弾いていこうという決意、そしてこれ以上ない励みとなりました。

実は私がピアノを再開する20年前、17歳のときにピアノを辞めた大きな理由のひとつが、本物の才能に出会ったことでした。
中学・高校と何度か学生向けのピアノコンクールに出場したけれどよい結果が出せず、それでも次のコンクールにと、見えないトンネルの出口を探っていたような状態のときのこと。
あるコンクールで、それまで「あの人はここをミスした、あそこをミスした」という程度のどんぐりの背比べの演奏が続いていたとき。

一人の男性の登場で、会場の空気が一変したのです。
彼がピアノを弾き始めた途端、それまで寝ぼけ眼だった聴衆や審査員がハッと息をのみ、演奏が進むにつれ、会場全体が興奮の渦に包まれていくのをはっきりと感じました。
そして、演奏終了とともに、「ブラボー!」と割れんばかりの称賛の拍手が巻き起こったのです。

その瞬間、「これが、本物のピアニストだ」と悟りました。
ピアニストとは、心を揺さぶる芸術的な天才がなるもので、私には到底無縁である、と。
ピアニストになれないならば、ピアノを続ける意味などない。

それまでのピアノ人生ををすべて切り捨て、その後私は、ピアノはおろかクラシック音楽からも一切遠ざかりました。
いっぽう、その天才の彼は数年後、ショパン国際ピアノコンクールで1位なしの3位に入賞。
現在も一流ピアニストとして活躍されています。

それから20年経ち、再び私がピアノに向き合うようになって。
ようやく、ようやく今、気づいたのです。

技術的にも芸術的にも、完璧な演奏を求めていた私。
けれども、完璧でなくとも、時として感動は訪れる。
それは、人の持つ、不思議な何かの力。

今回は、演奏する3人のチームワークが最高のものでした。
そして、聴きにきてくださったお客様と一体になり、不思議な力を感じました。
感動する音楽は、独りよがりでは訪れない。
引き寄せるもの。ふれあい、紡ぎあって、つくりあげるもの。

17歳のあのときに終わったと思った私のピアノ人生でしたが、ずいぶん遠回りをしたものの、今ようやく、出会った方々のおかげで、再び一歩、歩み出しました。
posted by: hee-san | piano | 21:46 | comments(4) | - | - | - |
すべての瞬間を慈しむことができる喜び〜「よあけ」
101件目の投稿です。
100件目の投稿が昨年11月中旬だったので、なんと約3ヵ月も更新していませんでした。

私にとって100件目はお祭りでしたが、101件目はまた一から、「はじめの一歩」。
気持ち新たに、初心に戻って…そんな思いで、絵本「よあけ」を取り上げよう、とテーマは決まっていたのですが、なかなか筆が進まず今日まで来てしまいました。

というわけで今年ももうすぐ3月ですが、東日本大震災による原発事故を経験してからというもの、私は自然の美しさ、地球という奇跡に対して、もう以前のように受けとることができなくなってしまいました。

夜明け前の静けさ。
日が昇るときの、音もなくドラマティックに変貌していくさま。
どの一瞬も、息を飲むほどの美しさではあるけれど、それはこれまで、私にとっては目に映る日常のイベントのひとつに過ぎませんでした。

ところが、この日常がどんなに絶妙なバランスで成り立っているかを、震災から始まった原発事故、という痛みを伴って初めて気付いたとき、ものすごくかけがえのない幸せな現象なのだということをようやく、理解したのです。

それ以来、身の回りのすべてのことが、常にありがたく新鮮で、美しく、幸せなものとして映るようになりました。

毎日、日が昇ること。
朝、「いってらっしゃい」と手を振った家族が、一日の終わりには全員揃って食卓を囲めること。
おいしい空気や水を、好きなだけ身体に取り込めること。
おひさまの匂いでふわふわになった布団にくるまって眠れること。

それだけで、
とてつもなく、幸せ。

「よあけ」では、初めて一緒にキャンプに来たらしいおじいさんと孫が、夜明け前の静まり返った湖のほとりで寝ている場面から始まります。

やがて夜が明ける気配で目覚めたおじいさんは孫を起こし、身支度を整えて湖にボートを漕ぎ出すのですが・・・。
印象的なのが、まだ寝ぼけ眼の孫に比べて、おじいさんが終始満面の笑みを浮かべていること。
そのワケは、夜が明ける
その瞬間の場面を見ればわかります。

おじいさんが、どんなに孫を愛していて、どんなにこの瞬間を孫に見せることを楽しみにしていたか。

最初にこの作品を読んだときは、しだいに夜が明け、世界の色が変わっていくさまを美しく描いているなあ、と見入ったものですが、最近はそれだけでなく、おじいさんの想いに対する共感の気持ちのほうが強くなってきました。

奇跡のような大自然の営み。
それをじかに肌で感じ、かつ分かち合える幸せ。

そんな一瞬、一瞬をこれからも慈しんでいこう、と思います。
posted by: hee-san | 大人にも読んでほしい絵本 | 22:47 | comments(0) | - | - | - |
100回&木下淳さん3位入賞記念! 「第2回アマチュア・ピアニストのためのショパン国際コンクール」スペシャル 座談会
今回は「音と絵本のたからばこ」を始めてから100件目の記念すべき記事!
ということで、9月にポーランドのワルシャワで開催された「第2回 アマチュア・ピアニストのためのショパン国際コンクール」において、二度目の挑戦でみごと3位に入賞された木下淳さん、そして初参加なさった阿部文絵さん、長尾恭治さんによる座談会を企画・開催しました!


左より 長尾 恭治さん、阿部 文絵さん、木下 淳さん

「演奏曲目リスト」を考えるのが楽しくて

―― まずは木下さん、3位入賞おめでとうございます!
今回二度目のチャレンジの経緯については、5月にインタビューでご紹介させていただきましたが、みごと「前回の『入賞』以上の成績」という目標を達成されましたね!
※ 本選出場者8名のうち、上位3位以外は順位はつかず、「入賞」となる


木下さん(以下三名とも敬称略) ありがとうございます。まずは嬉しくホッとしました。詳しくは、後ほどお話したいと思います。

―― 阿部さん、長尾さんは今回初挑戦で、事前のテープ審査をみごとクリアしワルシャワ行きとなりましたが、今回のコンクールはどんなきっかけで参加されたのですか?

阿部 3年前に第一回目の同コンクールで木下さんがご活躍されたことはもちろん知ってましたが、今回も出場されると聞いて、「私も記念受験してみようかな」と思い立ちました。
実は当時、何か一人で打ち込めるものが欲しい心境だったので、ちょうどよいタイミングだったのです。
私は大人になってピアノを再開したのですが、ショパンが好きでショパンばかり弾いてきたこともあり、自分がこれまで弾いてきたショパンの曲でコンクールの「申し込みリスト」を作るのが楽しかった、というのも理由のひとつですね。

※ 同コンクールでは事前審査として、音源および申し込み書類のひとつとして、一次予選から本選までの演奏曲目リスト(規定の種類の曲数と時間等条件あり)を作成して送る必要がある。

長尾 阿部さんがピアノ仲間に「曲目リストを考えるのが楽しいですよ、応募しましょうよ!」と声を掛けられまして、私も当初は気軽な気持ちでリストをつくってみたのです。
偶然にも、申し込み期限前に別件でパスポートを受け取っており、木下さんからも声を掛けられ、いつの間にか応募していました(笑)。
音源は3〜4年前に録音したものを送りました。しかしミスタッチも多くボロボロだったので、まさか事前審査に通るとは思っていませんでしたが…。




数々のエピソードに花が咲きました



大きな目標があることで取り組み方が違ってくる

―― 全員無事、事前審査通過の通知が来たのが4月末でしたね。

阿部 まずは曲目リストに登録した7曲を週8時間の練習で仕上げる、という計画を立てました。
ところが全然足りなくて、6月には練習時間を倍に、7月には週30時間確保したのですがそれでも間に合わず、結局8月からは、一次予選のワルツとバラードだけをひたすら練習。
自宅がデジタルピアノなのでスタジオを借りて練習したり、ピティナ・ピアノステップにも参加しました。
自分でもよく頑張ったと思います(笑)

長尾 私は当初、初夏にシューマン、秋にスクリャービンをそれぞれ演奏会で弾く予定だったのをすべてキャンセルして、オール・ショパン・プログラムにリセットしました。
これまで弾いたことがなかったマズルカを3曲も選んでしまったこともあり、一次予選に弾くエチュードと二次予選のマズルカの練習に、大半の時間を費やしましたね。
また、あまりの曲数と練習時間に集中が途切れそうになったので、夏以降は自宅ではほとんど弾かず、阿部さん同様、スタジオを借りるなどして環境を変え、集中して練習する工夫を凝らしました。

阿部 そうそう。あの頃は「ワルシャワでひどい演奏をするわけにはいかない」と切羽詰まっていたので、ひたすら集中して取り組むことができました。
ところがコンクール終了後は「せっかくここまでやったんだから、引き続き頑張ろう」と思ってスタジオを何時間も予約しても、集中力が続かないんですよね。
やはり、大きな目標があるかないかで、取り組み方も違ってくるのだと思います。

木下 私の場合は前回からの布石で、2010年から2年がかりで取り組んできましたから、やはり途中で嫌気がさすこともありましたよ。
実は今年の1月1日からコンクール初日まで毎日、「どの曲を何分練習した」とすべて記録していたのですが、振り返ってみるとまったく進歩していないような気がしたり…。
また、「場数を踏む」という意味で人前での演奏機会を5回ほど設け、舞台慣れするよう努めました。

―― そして、ワルシャワに渡り、いよいよコンクール当日を迎えました。

長尾 1曲目はワルツでしたが、思いのほかリラックスして弾けたつもりです。
演奏しながらパイプオルガンや客席、天井などを見るという、ふだんしないこともでき、今できる精一杯の演奏ができたと思います。
ところがエチュードの最後の1ページで間違えてから、頭が真っ白になってしまいまして…。
ただ今回は、得意な曲ではなく、弾いてみたい曲を選んでしまったので仕方がない、と納得はしていますし、何よりも、最後まで弾き終えることができたので嬉しかったですね。



リハーサル時の長尾さん

阿部 一次予選は36名で、2日間に分けて行われました。
演奏は苗字のアルファベット順で、今回はHから(事務局からの指定。前回はDから)だったので、木下さんと長尾さんは初日で、私は2日目。
一日目の演奏がすべて終わり、次の日が自分だと思ったとたん不安になってきて…。
どうしても克服できていない箇所が結構残っていたので、準備不足からくる不安でとにかく緊張していました。
実は譜めくりを長尾さんにお願いしており、本番が近づくにつれ緊張をほぐしてほしかったのですが、長尾さんが隣で「すごく緊張してきた」って言い出して(笑)。

長尾 譜めくりは責任重大ですしね、やっぱり緊張しますよ(笑)

阿部 とにかく緊張していたので、ミスしないようにと1曲目のワルツを弾き終えて、少しは楽しまなきゃ、と思ったらかなり音を外してしまい…。
全体で見ると、緊張しているのが全面に出た演奏になってしまった気がします。


阿部さんの演奏。譜めくり担当は長尾さん。

―― 残念ながら一次予選敗退となった長尾さんと阿部さんですが、クラクフ歴史地区やショパンにまつわる名所へのツアーなども楽しまれたようですね。
印象に残ったのは?


阿部 ショパン博物館!
特に、ショパン手書きの楽譜では本人による書き込みなどが見られ、楽しくあっという間でした!

長尾 ショパンゆかりの地、時間を忘れて楽しみました。
ワルシャワ歴史地区等、世界遺産尽くしの贅沢な観光となりました。
食事やお酒も美味しかったですよ。


要は「自分なりに練習を十分に積んだ」実感があるかどうか

―― 一方、木下さんは一次から順調に本選へ。
今回は二度目ということで、緊張度合いは前回と比べていかがでしたか?


木下 確かに緊張もしましたが、練習も人前での演奏もかなり重ねて準備し、調子も上がってきていたので、「まあ、うまくいくよね?」と信じて演奏していました。
要は、練習や人前での演奏の成果がある程度実感として得られているかどうかが、私にとっては大事なのです。
ハッタリが効かない、とも言えますが…。
前回は一次の曲より二次、二次の曲よりも本選の曲が、より準備不足でした。
そのため、本選では舞台に出る不安が大きかったし、実際、それが演奏に現れてしまったのです。
そういう意味で今回は、「自分なりに練習を十分に積んできた」という実感があったことが、プラスに働いたと思います。
とはいえ、本選はやはり別格だったのか、想定外のミスが続き、しかもそれを最後まで引きずってしまい、スッキリしなかったですねえ。
その辺りが、場数を踏んで来たとはいえ、精神的な鍛錬が足りなかったかな…という思いもあります。

木下さんの演奏。舞台上方にはショパンの銅像が掲げられている。

―― そして、表彰式。3位入賞と発表されたときの心境は?

木下 冒頭で申し上げた通り、「前回以上の成績」という目標を達成できたことは嬉しかったのです。
ですが正直なところ、3位に留まったか…という無念さもあり複雑な心境でした。
本選は確かに失敗もありましたが、全体を通して、前回よりはかなり上手く弾けたという手応えがあったので…。
とはいえ、「コンクールとは相対評価なのだ」ということを改めて思い出し、納得もしました。
その後行われた入賞者コンサートでは、「もうこのコンクールで弾けるのもこれが最後か…」と、感慨に浸りながらの演奏でしたね。

※ 同コンクールでは3位以内に入賞すると、次回の参加資格がなくなる。


収穫は「めざす演奏の方向性が見えてきた」こと

―― それぞれの「アマチュア・ピアニストのためのショパン国際コンクール」。
振り返ってみていかがでしたか?


長尾 コンクールという経験も海外旅行も実は初めてでしたが、非常に楽しかったので、次回もまた挑戦したいですね。
3年後を見据えて、今からできることを準備していこうと思っています。
まず基礎からかっちりと学び直して、来年からは日本のコンクールにもトライしてみようかと。
また、現地で感じたことですが、これからは「いかに自分の音楽を人に聴かせるか」に重きを置いていきたいですね。
今思えば、これまでは独りよがりな演奏をしてきたような気がするのです。
今後はもっと真剣に、できる範囲で、自分が思い描いている音楽を表現できるよう、研鑽を積みたいと思っています。
次の目標は一次予選突破です!
今回の出場者には50代、60代の年配の方も多かったので、まだまだこれから。
6年計画くらいでもいいかなと。円熟した演奏をめざしたいですね!

阿部 現地で「じゃあまた、3年後にね」と約束するような友人もでき、気分的には盛り上がって帰ってきたのですが、実際の練習はなかなか難しいですね…。
それでも今回、「ステキだなあ」と感じる演奏をたくさん聴けたことで、「私もいつかこんなふうに弾けたらいいな」と、めざす演奏の方向性が見えてきたことが収穫ですね。
今までショパンばかり弾いてきたけれど、今後は音階やバッハなどの基礎も学んでみたい、という気持ちが芽生えました。
ゆっくりでもいい、きっといつかは、私の表現したい音楽につながるのではないかと思います。

木下 今回の結果を色々な方にご報告したところ、
「順位はあってないようなもの。それよりも、審査員の考え方も一人一人違うでしょうし、これからが大切です」と、それなりのところまで自分の演奏が評価されていることが大事なんだ、という趣旨のコメントを多くの方からいただきました。
二度にわたり同コンクールに挑戦したわけですが、とりあえずこれで一旦、コンクールは卒業としたいと思います。
これまで集中してショパンを弾いてきて、同コンクールにトライしたことでショパンに対する理解も深められので、今後はショパン以外の、前期ロマン派を離れて違う時代の新しいレパートリーを開拓したいですね。
そして、一年くらいかけて仕上げてリサイタルを行うことができたら…と考えています。



******************
■座談会を終えて

「自分が思い描いている音楽を表現できるよう、研鑽を積みたい」(長尾さん)、「めざす演奏の方向性が見えてきた」(阿部さん)、「自分なりに練習を十分に積んできたという実感が得られることが大事」(木下さん)。
それぞれ、大舞台を経験したからこそのコメントにはずっしりと重みがありました。
そして、「順位はあってないようなもの、これからが大事」(木下さんに寄せられたメッセージ)。
この経験を糧に、皆さんが今後どんな音楽を奏でていくのか、今後も注目していきたいと思います。
木下さん、阿部さん、長尾さん、お忙しい中本当にありがとうございました!
posted by: hee-san | Interview | 19:10 | comments(0) | - | - | - |
極上のエンターテイナーたちが遭遇して… 〜「1st Encounter」
鈴木直人 , 伊藤大輔 , 永田ジョージ
エアプレーンレーべル


先週末はショッキングなニュースがあり、寝込んでしまいたいくらい気分が滅入っていました。
でもその夜には、ずっと前から楽しみにしていたライブの予定が入っていて…。
きっとこれは偶然じゃない、神様が落ち込み気味の私に用意してくれたプレゼントに違いない!
と気持ちのスイッチを切り替え、友人と共にいざ、ライブハウスへ。

到着してみると、何と用意された席は最前列、しかもど真ん中。
沈みかけていた気分も一気に急上昇です。

Lee RitenourやJohn Scofieldを彷彿させ、どこか懐かしいサウンドを奏でる卓越したギター職人、鈴木直人さん
サーファー・ピアニストで心優しきロマンティスト、永田ジョージさん
そして、七色の声を自在に操るヴォーカルの伊藤大輔さん

今回は、そんな個性派三人によるファーストCD"1st Encounter"発売記念ライブ。
一体どんなステージを見せてくれるのかな〜と、ゆったり構えたのが…間違いでした

まるで遊園地のメリーゴーラウンドに乗せられたように、最初から最後まで、飛ばしっぱなし!
具体的に説明するのは難しいのですが、ステージのセットリストから挙げていくと。

「Orange Colored Sky」→ それまでMichael Bubléのビッグバンドバージョンが私の中では定番だったけど、もはや大輔さんの歌以外では考えられないくらいかっこ良かった!
「Lawns」→ ピアノとギターの絶妙な掛け合い具合にすっかり引き込まれ。
「Stardust」→ ジャズの定番曲も、まるで銀幕の世界に入り込んだかのような大輔さんの創り出す世界にうっとり聴き惚れ。
「スウィングしなけりゃ意味ないね」→ 日本人にはノリが難しいはずのこの歌も、大輔さんにはお手のもの。歌い回しがクルクル替わり、新鮮でまったく飽きさせない!
「what a little moonlight can do」→ あらゆるヴォイスマジックとスピーディーなギターソロ、なんて気持ちいいんだろうっ!
ジョージさんオリジナル曲「Trippin’ South」(以下の彼らのPVにも使われている)→ 冒頭で大輔さんが得意のヴォイスパ―カッションで鴨川(?)の海の波の音を演出してくれたりして、すっかり南国ビーチにいる気分。
ジョージさんの思いがギッシリ詰め込まれたピアノソロでは、言い知れぬ感動が沸き起こり胸がいっぱいに…。
しかも、アンコール曲は「Spain」。
…というわけで、最後までまったく観る側を飽きさせない、魅了されっぱなしのステージでした。

そして10年来大輔さんファンである私が一番嬉しかったのは、動画では何度も見ていた、大輔さんの「The nearness of you」を初めてライブで聴けたこと
店内のお客様全員がうっとりと酔いしれていたことは間違いない、極上のひとときでした。
(伊藤大輔さんのインタビュー記事はコチラ)。

そう、この、サーカスをイメージしたデザインのCDジャケットのように、引き出しを開けるたびに別の魔法が飛び出してくるような、ワクワクがいっぱい詰まった彼らの音楽。
会場で即買いしたCD、もちろんヘビロテしてますが、ぜひまた近いうちステージを見せてほしいなあ、と願うのでした

posted by: hee-san | jazz | 21:18 | comments(0) | - | - | - |
大好きだから、自慢したい 〜「おとうさんだいすき」
司 修
文研出版


本日、次女が保育園から借りて来た作品がこちら。
これ以上ない、というくらいストレートなタイトルがかえって目を引きます。

主人公は、動物のこどもたち。
みんなで自転車にまたがりおしゃべりしています。

そこで始まったのが、各々のおとうさん自慢。
「ぼくのおとうさんはねえ…」
と、どんな乗り物を運転できるか、誇らしげに話すのです。

最初は自転車だったのが、順番が回るにつれ飛行機になり、気球になり、大型客船になり…と、乗り物の規模がどんどんエスカレート。
大好きな自分のおとうさんが一番えらいんだぞ!という思いが巨大な妄想につながっていき、微笑ましいのです。

そういえば私もこどもの頃は、やっぱり大好きな父親を誰よりも自慢したくて、いろいろ妄想を吹聴したような気もします。
そんなときの心理って、いくらこどもとはいえ、「嘘をついてる」という自覚がまったくないから不思議。
むしろ、「父親を誰よりも愛している」という誇らしさと満足感でいっぱいになったりして。

私の父は、幼い頃戦争で自分の父親を失くして父親と過ごした記憶がほとんどないため、いざ自分が父親という立場になったときに、娘たちにどう接すればいいかわからなかったと言っていたことがありました。
けれど娘の立場から見ると、こんなに素晴らしい父親は世界中探しても他にいない!と自信を持って言えるくらい、自慢の父でした。

遊び相手担当だった父はトランプは一番強いし、あやとりやぬりえだってお手のもの。
キャッチボールやテニスを教えてくれたのも、勉強を見てくれたのも父でしたから、一時は「お父さんは何でも知ってるし、何でもできる!」と本気で信じていましたっけ…。

ところで、幼いころ父親にしてもらったことで一番うれしかったことって何でしょう?
それはこの作品の最後にも登場するのですが、「やっぱり!」とうなずいてしまうこと間違いナシ。
我が夫も、私には真似できないダイナミックさで娘たちとスキンシップをとり、毎日盛り上がっています。
あまりに楽しそうで、ちょっと羨ましいんですよねえ…。
posted by: hee-san | 絵本 | 22:07 | comments(2) | - | - | - |
祖母との思い出 〜 「わすれられないおくりもの」
今朝、祖母が亡くなりました。

高齢で何度も体調を崩し、しばらく前から入院していましたが、最近は体調も安定していると聞き安心していた矢先の訃報でした。

TVドラマなどでは、容態急変の報せを受け、駆けつけた家族に見守られながら息を引きとる…というシーンをよく見ますが、私はこれまで亡くなった祖父母たちの臨終に立ち会えたことがありません。
何より、祖父が亡くなったときも、そして今日祖母が亡くなったときも、私の母自身が、両親の最後を看取ることができなかったことを思うと、胸が痛みます。

祖母との思い出が、鮮やかに甦ってきました。
ちゃきちゃきの下町育ちだった祖母。
地方育ちでのんびりした生活に慣れていた私は、たまに夏休みなど祖母の家に預けられると、別世界に入ったような感覚で毎日が驚きの連続でした。

家や庭に20匹以上いた猫たちに、可愛がるでもなくさっさと餌を置いて回る姿。
買い物ついでに商店街の縁日に連れて行かれ、買ってもらったハッカパイプ。
鈴のついた大きながま口の財布。
苦手だった白味噌のみそ汁。
散歩に出ると、道ばたの野の花を摘み取り、私に渡してくれたこと。
母と性格は正反対なくせに、笑うと鼻に皺が寄るのがそっくりで、私と私の長女にまで遺伝していること…。
つい昨日のことのように、いくらでも思い出せるから不思議です。

私は初孫だったけど、どれくらい彼女の人生の思い出に残ったのかな。
そして、これから先、彼女との思い出は私の人生にどんな影響を与え続けてくれるのだろう。

最後に祖母に会えたのは、数ヶ月前のこと。
体調を崩したと連絡を受け、両親と面会に行ったときには、意識もはっきりせず苦しげで、会話もできませんでした。
それでも、帰り際に祖母と二人きりになったとき、そっと祖母の手を握り、耳元で
「おばあちゃんのこと、ずっとずっと大好きだからね」
と伝えたところ、祖母は目をうるませながら、数回、はっきりとうなずいてくれました。

おばあちゃん、数えきれないほどたくさんの思い出をありがとう。
これからは空から、私たちのことを見守っていてね。
posted by: hee-san | 絵本 | 23:25 | comments(2) | - | - | - |
♪ もっと音楽を広げ、演奏者を幸せにしたい〜「piaScore」小池宏幸さん ♪
2010年1月27日――Apple社のタブレット型PC「iPad」が発表されたこの日、音楽関係者にとって画期的なiPad用電子楽譜プラットフォーム「piaScore」の原型が生まれました。
その後、iPadの普及に伴うようにダウンロード数も増え続け、2012年8月現在で約50,000を超えています。
「世界中の楽譜をあなたの手元に」をコンセプトに躍進中の「piaScore」の生みの親、プラスアド株式会社の小池宏幸氏にお話を伺いました。

まずは「百聞は一見にしかず」。
piaScoreの特長のひとつ、小池さんご自身のデモによるジェスチャー譜めくりをご覧ください!



――鍵盤から手を離さずに譜めくりができる、こんな画期的なアイディアが実現可能とは驚きました!まさに、電子楽譜ならではの機能ですね!
そもそも、電子楽譜をつくろうというアイディアはどんなきっかけで思いついたのですか?


iPadの発表当日、ツイッター上では
「こんな機能があったら面白いよね」
という話題でいろいろ盛り上がっていました。
そのやり取りに参加するうち、ふと
「iPadを電子楽譜として使ったら面白いんじゃないか?」
と思いつき、つぶやいてみたところ、大きな反響がありまして…。
そこでその晩、早速piaScoreの原型となるスケッチを描いて翌朝公開したところ、さらに反響が増え、フォロワー数がその日を境にグンと伸びていったのです。
実は当時起業したいという思いがあったのですが、具体的なビジネスプランを決めあぐねていたので、この電子楽譜で起業しよう!と決意。
2010年5月にプラスアドを立ち上げ、同年12月には最初のバージョンをリリースしました。

  演奏者の立場で考えた必須機能は「楽譜への書き込み」

――piaScoreの特長を教えてください

好きな楽譜がいつでも簡単に取り出せて、持ち運びにも便利。
これが電子楽譜の最も重要な役割だと思います。
また、リリース当初から盛り込みたかった機能がいくつかありました。
そのひとつが「楽譜への書き込み」です。
実は当時、電子楽譜のアプリ自体は他にもいくつかあったのですが、そのほとんどが楽譜に書き込みができないものばかりでした。
演奏者の立場で考えれば、楽譜にはレッスンの内容や演奏上の注意などを必ず書き込んでいくもの。
紙の楽譜と何ら遜色なく使えるよう、まず基本的な機能として書き込み機能をつけました。

もうひとつ強化したかった機能が、譜めくりを簡単にできるようにすること。
その第一弾として、iPhoneをリモコンのように使って譜めくりできるようにしたことで、例えば生徒の隣りに座っている先生などが、立ち上がって手を伸ばさずとも譜めくりできる、という需要に応えることができました。

これらの機能をつけてリリースしたところ、iPhoneやiPad用のおすすめアプリを紹介するAppBankで取り上げられ、一気にダウンロード数が急上昇。
それ以降、日本国内の楽譜アプリではシェアナンバー1を維持し続けています。






――素晴らしいですね。その後現在までに、どんな機能が追加されているのですか?

まず、さらなる譜めくり機能強化をめざし、この6月には冒頭でご覧いただいた新機能「ジェスチャー譜めくり」を追加することができました。

さらに先月からは、国際楽譜ライブラリプロジェクト「IMSLP」*および全日本ピアノ指導者協会「ピティナ(PTNA)」と業務提携したことで、5万曲以上のクラシック音楽の楽譜を無料でダウンロードできるサービス「Cloud Play」と、ピティナが運営する楽譜販売サイト「Musse」が取り扱う楽譜の購入や、「ピティナ・ピアノ曲辞典」の楽譜情報を閲覧できるサービスをスタートしました。
これにより、例えば、piaScore上で曲を検索して選ぶと、Youtubeの演奏動画と楽譜の一覧および楽曲情報が表示される――という仕組みが実現したのです。

*国際楽譜ライブラリプロジェクト「IMSLP」(International Music Score Library
Project)…パブリックドメインとなった楽譜を中心に、無料で使用できる楽譜等のインターネット上のライブラリを作成。2012年現在、20万点以上の楽譜と音源を収録している。


  楽譜そのものだけでなく、探し方や使い方までも変えていく

――piaScoreは楽譜そのものだけでなく、その探し方や使い方までをも変えたと言えますね!

これまで欲しい楽譜があれば、楽器店に足を運び、直接手にとって確認してから購入するのが主流だったと思います。
しかも、せっかく遠方はるばる店舗に出向いても、望む曲の楽譜が揃っているとは限らないわけです。
もちろん、ネット通販などで購入することもできますが、その場合は楽譜の中身が見られませんでした。
それが、piaScoreが入ったiPadひとつ手元にあれば、いつでも好きなときに楽譜が入手できるだけでなく、画面上の楽譜を見ながら試し弾きをしたり、YouTubeの画面でピックアップされた演奏を幾通りも見てから、欲しい楽譜あるいは演奏したい曲を選ぶことができるようになった、と言えますね。


――今後も進化し続けるのでしょうか?

やりたいことは山ほどありますが、基本的なことを丁寧にきっちり、ひとつずつ進めていきたいと考えています。
まずは書き込み機能の強化。
さらに使いやすく、手書きと同様レベルまで上げていきたいですね。
また、楽譜を購入しやすい仕組みや、オーダーメイド楽譜のようなサービス、それから、piaScoreを介してオンライン上でレッスンできる機能なども展開していけたら、と考えています。


――ユーザーのリクエストからアイディアを得ることもあるのでしょうか?

iPadというツールを使用しているためか、海外からのリクエストが多いのですが、想定範囲内の要望が多いですね。
やはり私自身がピアノを弾くため、欲しいと思う機能が、演奏者に共通しているのだと思います。
予想外という意味では、オーケストラや指揮者の方からのニーズも結構ありました。
彼らによると、指揮者の指示をpiaScore上に代表者が書き込み、全員のスコア上に反映されるようになれば、個々の楽譜に書き込む手間が省け、より演奏に集中できるというわけです。
また、piaScoreは当初、あくまで練習用のサポートとして使ってもらいたいと考えていました。
というのもピアノはそもそも、本番は暗譜して演奏するものですから。
ですが、アンコールやバンドのライブなど、本番でも使われていることがわかってきましたので、今後は様々な用途も想定して開発を進めていきたいと思います。


――なるほど。小池さんご自身もピアノを演奏されるのですね。ピアノとはどんな関わり方をされてきたのでしょうか?

小学校2年の時にピアノを習い始めたのですが、練習嫌いだったため、中学1年で一旦辞めてしまいました。
ところが、大学に入学して間もなく、テレビでショパンの幻想即興曲の演奏を偶然聴きまして、「なんだ、このすごい曲は!」と衝撃が走り…。
私にとってはそれが初めての、ピアノに目覚めた瞬間だったのかもしれません。
それを機に、本格的にピアノを再開しました。
再開すると同時にショパンのホームページをつくったのですが、それが95年のことですから、おそらく日本国内で初のショパンのサイトだったのではないかと思います。
とにかくピアノ、そしてショパンへののめり込みかたは半端じゃなかったですね。

実は大学では音楽情報処理の研究をしていたのですが、研究室にグランドピアノがあって弾き放題だったこともあり、ますますピアノにのめり込んでいきました。
ちなみに研究テーマは「英雄ポロネーズ」(笑)。
「英雄ポロネーズ」を科学的に分析して、芸術的な自動演奏を生成するという、ヴァーチャルピアニストを生成することを目的とした数値的な分析を、徹底的に行いました。

そして大学卒業後に就職した会社でも、素晴らしいピアノ仲間との出会いがあり、ますますピアノにのめり込みまして、2010年10月には演奏者114名による「ショパン全曲コンサート」を開催、代表を務めました。
今やピアノは、生涯の趣味ですね。


  いつでも街中に音楽の生演奏が流れる、世界に誇れる街をつくりたい




――今後、piaScore以外にも音楽的な活動を広げていくご予定はあるのですか?

音楽の世界をもっとよいものに、特に演奏者にはもっと幸せになってほしいなあ、という思いがあります。
まず、2040年に音楽ホールをつくること。
半分冗談ですが、残り半分は本気です。
日本には音楽ホールが多いようで、なかなか予約が取れないという実情があります。
それだけ演奏人口が増えて来たということもあるのですが、気持ちよく演奏できるピアノのホールをつくりたいですね。

そしてゆくゆくは、世界に誇れるような音楽都市をつくりたいと思っています。
ウイーンやチェコのように、いつでも街中に音楽の生演奏が流れていて、生演奏が野外で聴けるような、世界に誇れるような街をつくりたいのです。
日本はこれだけ文化や産業が発達しているにもかかわらず、ふっと思い立って、気軽に生演奏を聴きに行ける場所はなかなかありませんよね。
それがもったいないというか、残念というか。
しかも聴く側も演奏する側も、これだけ音楽が根付いている国ですから、もっともっと、音楽を振興させていきたいのです。
たとえば、ラ・フォル・ジュルネのようなイベントや、音楽の専門教育機関、演奏者用住宅を充実させるなど、あらゆる音楽への支援や活動が活発に行われるような…特区のようなものをつくりたいですね。

…で、そこにつくったホールで、私が一人で、ショパン全曲リサイタルを開く…というのが夢ですね。
もちろん、そのプロジェクトも少しずつではありますが、着々と進めていますよ!
そういう意味では、私自身のプロジェクト支援のためにも、やはりpiaScoreが必須アイテムなのです。
どこでも譜読みができて、ショパン全曲分の楽譜をこれひとつで持ち歩けるわけですから!


piaScoreを初めてみたとき、そのアイディアに驚きつつ、
「なぜ今までなかったんだろう?」
と思うほど、既に演奏者にとっては、なくてはならない存在になりつつあると感じました。
小池さん流の着実さで進化を遂げつつ、周囲の惜しみない賛同と協力を得ながら、さらに大きな夢を実現することも必ずや可能な気がします。
コピーして、切って貼って、手書きでメモして、楽譜の管理や譜めくりのタイミングに都度ドキドキして…という、思えばとても煩雑な作業から解放される日が来るとは!
もう絶対に、元には戻れません(笑)


プラスアド株式会社 代表取締役 小池宏幸氏
1976年生まれ。横浜出身。筑波大学 大学院 工学研究科 電子・情報工学専攻 修士修了。2000年にソニー株式会社に入社。リコメンデーション技術や画像検索技術の開発に従事。2006年に株式会社ゼータ・ブリッジに入社。事業マネージャとして画像認識事業を立ち上げ、大手を含む20サービスに画像認識ASPを導入。2010年5月にプラスアド株式会社を創業、代表取締役に就任。同年12月にiPad電子楽譜プラットフォーム「piaScore」を立ち上げ、iPadアプリケーション「piaScoreHD」は、無料・音楽部門のダウンロード数で1位を獲得。楽天技術研究所 客員研究員、2010年度 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)未踏ソフトウェア事業 チーフクリエータ。
posted by: hee-san | Interview | 19:54 | comments(3) | - | - | - |
こどもはもう寝る時間! 〜「おやすみなさい フランシス」
ここのところ、超・忙しいです…

こんなときは、一刻も早くこどもたちを寝かしつけ、用事を片付けて自分の時間を確保したいのに、親の思惑どおりにはならないこどもたち。
この週末も、お風呂上がりに「パパとオセロゲームしたい!」と、次女と1ゲーム、次に長女が1ゲーム。
終わったと思ったら今度は「ママ、絵本読んで!」。
で、まず長女におはなしものを、次に次女に絵本の読み聞かせ。
ようやく寝付いたと時計を見たら、なんと22時を回っています…

ちょうど先日、長女の小学校の保護者会で、「こどもたちが何時に寝ているか」という話になりクラスで集計をとったところ、平均は大体21時〜21時半くらいでした。
我が家も平日は同じくらいでちょっとホッとしましたが、それにしても…。

私がこどもの頃は「こどもは20時に寝る」のがルールでした。

寝付きが悪かった私はベッドに入ってもなかなか眠れず、ひつじを100匹以上数えたり、妹と「寝る体操」なるものを考案して実践したりと、一応努力はしていましたが、居間からは灯りとともに、両親が見ているテレビの音がかすかに洩れてきたものです。

自分が親になってみると、こどもを早い時間に寝かせるのは、彼らの身体のためでもあるけれども、大人の時間の確保のためでもあるのだなあと、痛感しているこの頃。

「おやすみなさい フランシス」は、まさにそんなお話。
「ねるじかんよ」と言われたフランシスですが、「ミルクが飲みたい・歯磨きを忘れた・おばけが出た!」といろいろ理由をつけては、両親のいる部屋に戻っていきます。
両親は、テレビを見ていたり、ケーキを食べていたりと大人の時間を過ごしていますが、とうとうフランシスより先に寝てしまいます。
そこでやむなくベッドに戻るフランシスですが、ベッドから見える物影や窓の外から聞こえる怪しい音が怖くて、眠れそうにありません。

そうそう、私もそうだった!
天井に見える染みをいろんなモノにたとえてみたり、自作の歌を即興で歌うあたりなんて、まるで同じ!
寝付きの悪いこどもはどうやら私だけじゃなかったようです。

幸い、私に似て寝付きの悪い長女は最近ようやく一人で寝られるようになったし、まだ私と手をつながないと寝られない次女は、目を閉じさえすれば10秒後には眠りに落ちてくれるので、以前よりはマシになったかなあ、と思いつつ。

相変わらずベッドに入るまでが大騒ぎの我が家。
20時就寝は夢のまた夢のようです…
posted by: hee-san | 絵本 | 23:11 | comments(0) | - | - | - |
♪ 在るものすべてが奇蹟と思えるとき 〜 ラフマニノフ「ここはすばらしいところ」 ♪
アシュケナージ(ウラディーミル),ラフマニノフ
ユニバーサル ミュージック クラシック

昨日は低気圧や台風のせいか、午後から頭がなんだかクラクラしていました。

夕刻、家路を急ぎながら小道に入ったときも、グラグラと揺れる感じにぼうっとして、下ばかり見ていて歩いていたのですが、ふと見上げると。

そこには、真っ青な空に、どこまでも白く光る雲が続いていました。

ーーああ、そうだ、台風一過だ。

我に返って辺りを見渡すと、嵐が通り過ぎた後の空気は限りなく澄みわたり、すべてのものが、この世のものとは思えない美しさを呈していました。

路地に伸びているトマトの実の青さ、風にそよぐ木々の枝。
いつも見慣れたはずの風景が、まるでこの世の奇蹟のように急に目の前に現れて、眩しくたたずんでいたのでした。

ラフマニノフの「ここはすばらしいところ」そのものの世界が、そこには拡がっていました。

今、ここにあるひとつひとつの小さなものたちが、どんなに大切で愛おしいものなのか。
そして今、自分がここにいることが、どんなに感謝すべきことなのか。

思わず涙があふれてきた、そんなひとときでした。
posted by: hee-san | piano | 23:49 | comments(0) | - | - | - |